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瓦屋根に使用される「南蛮漆喰」:南蛮漆喰の特徴や漆喰との違いについて

  • 屋根にまつわる情報発信

瓦屋根を施工するにあたって使用される建材のひとつに「南蛮漆喰」というものがあります。
南蛮漆喰とは、瓦屋根の棟に使用されているものです。
そして見た目や用途の似た建材に「漆喰」というものもあります。
今回の記事では、南蛮漆喰の特徴や漆喰との違いについて紹介します。

屋根の棟とはどこを指すのか

大棟、隅棟

南蛮漆喰や漆喰が使用されている箇所は、屋根の「棟」という部分です。

棟とは屋根面同士の接合部のことで、特に最上部の棟を大棟と言い、大棟を指して棟と呼ぶことが多いです。
瓦屋根の棟は熨斗瓦という平たい瓦を積み重ねることでつくられ、この棟部分に南蛮漆喰や漆喰が使用されます。
ただし厳密な使用箇所が異なるため、詳しくは後述します。
棟および棟の種類については、以下の記事で紹介しているためぜひ併せてご覧ください。

大棟と隅棟の違いはなに?棟の数は屋根によって違う?棟と屋根形状の関係性

 

「漆喰」と「南蛮漆喰」

漆喰は、消石灰やスサをフノリの煮汁で練ったものです。
非常に歴史が長く、防火性が高いため古くは城や神社仏閣に使用されていました。
南蛮漆喰は、消石灰に山砂利などを加えてフノリの煮汁で練ったものです。
消石灰を主原料としている点は共通しているものの、南蛮漆喰にはシリコンや防水材も使用されているのが特徴です。
そのため漆喰に比べて南蛮漆喰は防水性や強度が高いです。
用途は似ているものの、やや異なります。
漆喰は棟の外側に、南蛮漆喰は棟の外側と内側の両方に使用されます。
以前は漆喰が使用されることが主流でしたが、2000年以降は南蛮漆喰の使用が主流となっています。

「漆喰」が使用されている棟

築20年以上経過している棟は、以下の通り漆喰と葺き土が使用されている可能性が高いです。

熨斗瓦の下に詰められる「漆喰」

棟 漆喰

漆喰は、棟に積んだ熨斗瓦の下に半月型に詰められています。
棟の外側に見える白い部分です。
稀に漆喰を「瓦を固定する役割を持つ」と表現する人もいますが、現在の瓦は金具で固定されているためその役割はほとんどありません。
漆喰の役割は「美観を保つこと」という側面が強いと言えます。

棟の内部に詰められる「葺き土」

棟は熨斗瓦を積み上げてつくります。
しかし瓦だけでは不安定なため、葺き土を内部に詰めて固定力を向上させています。
つまり棟の外側に施工されているものが漆喰、内側に施工されているものが葺き土ということです。
このように漆喰と葺き土を使用した棟の施工方法は、2000年頃まで広く採用されていました。
葺き土は経年劣化するもので、固定力が弱まるほか崩れるリスクもあります。
30~40年程で葺き替えを行う必要があることから、より機能性の高い銅線や釘といった固定方法が普及したことで出番は減りました。

 

「南蛮漆喰」が使用されている棟

漆喰に代わって使用される「南蛮漆喰」

南蛮漆喰

棟の構造は徐々に変化していきました。
現在新築時は、漆喰と葺き土ではなく南蛮漆喰を使用します。
棟の外側には漆喰のように半月型に南蛮漆喰が詰められます。
漆喰同様に白色で、素人目には特に違いは見られないと思います。
「シルガード」という製品が代表的です。
棟の外側に詰められた南蛮漆喰の役割は漆喰と同様、棟の美観を支えることです。

葺き土の役割も兼ねる「南蛮漆喰」

棟の内部には、葺き土に代わって南蛮漆喰が使用されています。
外側に使用される南蛮漆喰とは異なり、黒色の南蛮漆喰が使用されることが多いです。
白色の南蛮漆喰も黒色の南蛮漆喰も、機能における違いはありません。
内側に詰められた漆喰は、葺き土と同様に瓦を固定する役割を持ちます。
ただし南蛮漆喰のみで瓦を固定しているわけではなく、釘や銅線といった建材も使用されることが多いです。
固定手段が増えたことで、以前に比べて瓦屋根の耐震性は大幅に向上しました。
耐震性が向上した要因のひとつとして、銅線などの他に防災瓦の存在も挙げられます。

瓦屋根の耐震について:屋根材の重さと耐震性の関連性、防災瓦の特徴を解説

 

まとめ

漆喰も南蛮漆喰も、消石灰を主原料とした建材である点は共通です。
いずれも瓦屋根の棟に使用されます。
しかし用途が少し異なり、棟の外側に使用される漆喰に対して南蛮漆喰は外側・内側の両方に使用されます。
漆喰とは異なり南蛮漆喰が内側にも使用される理由は、南蛮漆喰が葺き土の役割も兼ねているためです。
従来は瓦屋根の棟の内側には葺き土が詰められていました。
しかし経年劣化によるトラブルリスクもあることから、現在の新築住宅に葺き土は使用されていません。
南蛮漆喰は、美観を支える漆喰の役割と瓦を固定する葺き土の役割の両方を担っているということです。

 

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