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瓦屋根の耐震について:屋根材の重さと耐震性の関連性、防災瓦の特徴を解説

  • 屋根のメンテナンス

瓦屋根は重量があるため地震に弱い、と言われることも多いです。
しかし近年は耐震技術の向上により、以前に比べて格段に耐震性が向上しています。
瓦屋根の耐震性向上に貢献した建材のひとつが「防災瓦」です。
今回の記事では屋根材の重量と耐震性の関連性や、防災瓦とはなにかについて解説します。

 

屋根材の重さと耐震性の関係

重い屋根材を使用した屋根

瓦屋根

屋根材の重量と耐震性には関連性があります。
重い屋根材を使用している屋根ほど、どうしても頭でっかちな構造となるため地震発生時に揺れの影響を受けやすいです。
揺れの影響を受けやすいため外壁など住宅全体にダメージを与えてしまいます。
具体的には、屋根材のひび割れやズレなどが起こりやすいです。

各種屋根材の重さ

瓦屋根

屋根材によって重さは異なります。
主要な屋根材を重い順に並べると、以下の通りです。※同じサイズで切り取ったときの重さで比較
瓦>>スレート>アスファルトシングル>ガルバリウム鋼板
屋根全体の重さで比較すると、土葺きという旧来式の葺き方を採用した瓦屋根は瓦の下に土を葺いているため特に重いです。

 

日本瓦が特に地震に弱いって本当?

日本瓦の屋根は築年数の経過した家に多い

東日本大震災時、瓦の中でも粘土瓦のJ型を用いた屋根は特に地震被害件数が多かったです。
次に被害件数の多かった瓦は、セメント瓦でした。
粘土瓦とは、粘土を瓦の形に成型して焼き上げて製造する瓦です。
そのうちJ型とは緩やかなカーブを描いた形の瓦で、日本瓦とも呼ばれています。
伝統的な日本瓦は築年数の経過した屋根に使用されていることも多く、必然的に経年劣化が進行している家の屋根の割合も多いです。
必ずしも「特に日本瓦が地震に弱い」というわけではなく、築年数の経過した家の屋根が地震被害が深刻化しやすいということです。
粘土瓦の特徴については、以下の記事で解説しています。

瓦屋が徹底解説!陶器瓦・いぶし瓦・素焼瓦・セメント瓦それぞれの特徴とは

屋根の棟は特に被害が出やすい

大棟、隅棟

瓦屋根において特に地震被害の出やすい部分は「棟」です。
棟とは屋根面同士の取り合いの部分で、屋根の形状によって棟の位置や数は異なります。
具体的には、屋根の最上部にある「大棟」や地面に向かって斜めにおりる「隅棟」、入母屋屋根にある「下り棟」などです。
棟の位置の違いや屋根形状について、ご不明点があればぜひ以下の記事をご覧ください。
大棟と隅棟の違いはなに?棟の数は屋根によって違う?棟と屋根形状の関係性

 

「防災瓦」とは

防災瓦

瓦同士の連結を強化

防災瓦とは、ロック式と呼ばれる工法で瓦同士の連結を強化した粘土瓦です。

従来の瓦も連結させてはいたものの、防災瓦は瓦同士をロックアームというもので固定しています。

瓦を釘で固定

今では土葺きの瓦屋根は少なくなったものの、土葺きを行っていた時代は、屋根の上に葺いた粘土の接着力で瓦を固定させていた状態でした。
そのため地震や強風で瓦がズレたり浮いてしまうリスクが非常に高かったです。
その後引掛桟葺き工法を経てガイドライン工法が主流となったことで、瓦を桟木(瓦桟)に爪を引っ掛けて緊結用の釘で固定するようになりました。
工法の進化により、瓦屋根全体の耐震性は大幅に向上しました。
ガイドライン工法で防災瓦を使用することで、さらに耐震性を上げることができます。
防災瓦は、瓦を桟木に引っ掛けるだけではなく野地板に釘で固定するためです。

軽量化

粘土瓦特有の高い耐久性は維持したまま軽量化しました。
通常の粘土瓦が約45kg/㎡であるのに対して、防災瓦は約35kg/㎡です。
屋根面積が大きい住宅ほど差は大きなものとなります。
仮に屋根面積が100㎡あれば、重量差は1t近いです。

 

「防災瓦」のコスト

防災瓦は通常の瓦に比べて若干高価です。
そもそも瓦自体が他の屋根材に比べて高価なため、防災瓦の初期費用はネックに思う方も多いでしょう。
しかし防災瓦は30年間メンテナンスフリーと言われる素材の為、維持費を考えるとスレートやガルバリウム鋼板よりも低コストになることがあります。

 

まとめ

瓦屋根は地震に弱いというイメージを持たれることも多いですが、近年は技術の向上により格段に耐震性能が上がっています。
昔行われていた土葺きに代わってガイドライン工法などが主流となったことが、大きな要因のひとつです。
加えて瓦同士の連結や屋根への固定力を強化した防災瓦を使用することで、さらに耐震性を向上させることができます。
耐風性にも優れているため、地震だけではなく台風にも強いです。
防災瓦は決して安価な屋根材ではないためコストが気になる方も多いかもしれませんが、その代わりメンテナンスの手間は少ないため維持費を抑えることができます。

 

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