住宅の多くが、一定築年数が経過したタイミングで外壁の再塗装を行っていると思います。
頻度は使用している塗料によって様々で、5～20年に1回程度でしょう。
外壁は経年劣化するため表面の塗膜は徐々に剥げていき、カビやコケの繁殖やひび割れなどを引き起こす可能性もあります。
放置すれば防水機能の低下を招く可能性もあるため、外壁は定期的に再塗装を行うことが望ましいです。

今回の記事では、外壁塗装に使用する塗料について種類や特徴を解説します。

 

外壁塗装を行う目的

劣化を防ぎ防止機能を回復させる

外壁塗装はカビやコケの繁殖、ひび割れなどの発生を防ぎます。
また外壁は劣化が進むと防水機能が低下しますが、外壁塗装をすることで防水機能が回復します。
防水機能に関しては、防水効果の高い塗料を用いると特に高い効果が期待できるでしょう。
外壁のひび割れ部分からの雨漏りすることもあるので、外壁の防水機能は非常に大切です。

住宅の美観を維持する

外壁は住宅の中でも目につきやすい部分のひとつです。
外壁が劣化し汚れ等が目立つようになると、住宅全体の美観が損なわれます。
そして露骨に経年感が出ます。
経年感のある住宅は、悪徳業者による訪問営業のターゲットにされやすいです。
本来であれば不要な工事や、相場に対して異常に高額な工事、粗悪工事などの提案を訪問営業で行う悪徳業者が近年増えています。
経年劣化が目立つ住宅は、築年数が経過しているもしくは長らくメンテナンスしていないとみなされ狙われやすくなるのです。
悪徳業者被害については、以下の記事で詳しく紹介しているためぜひ併せてご覧ください。
屋根が狙われた被害が多いものの、外壁に関しても類似した被害が多くあります。

広島県福山市で悪徳屋根業者に注意！よく使われる手口と悪徳被害増加の背景を紹介

 

外壁塗装の塗料の種類

価格相場に関しては、あくまで塗料の価格です。
実際に塗装を行う場合は足場費用や洗浄費用などが追加でかかります。

アクリル塗料

耐久性が低いため屋外使用にはあまり向かないものの、費用は最も安価です。
手軽なDIYを検討している方や、頻繁に外壁カラーを変えたい方におすすめします。
耐用年数は5～7年、価格は1,500円/㎡程度です。

ウレタン塗料

アクリル塗料の次に耐用年数が短く、こちらも近年は屋外に使用されることが少ないです。
後述のシリコン塗料やフッ素塗料が普及するまでは一般的な塗料でした。
10年程度で住宅の解体を検討している方が取り急ぎ外装を綺麗にするために使用するには、安価なため最適でしょう。

耐用年数は8～10年、価格は2,000円/㎡程度です。

シリコン塗料

耐久性と価格のバランスが良くカラーバリエーションも豊富なため、使用されることの多い塗料です。
非常に多くの製品が流通しています。
撥水性に優れているため汚れがつきにくく、美観を保ちやすいです。
耐用年数は10～13年、価格は2,500円/㎡程度です。

シリコン塗装

ラジカル制御形塗料

比較的最近になって出てきた塗料で、シリコン塗料と同じくバランスの良い塗料です。
まだ扱うメーカーが少なく製品のバリエーションはシリコン塗料に劣るものの、近年人気が高まっています。

耐用年数は12～15年、価格は2,500円/㎡程度です。

フッ素塗料

耐久性の高い高級な塗料です。
高価ではあるものの、再塗装の頻度を下げることができるためランニングコストや手間は抑えられます。
頻繁に再塗装を行いたくないビルや商業施設などの大規模な建築物に使用されることも多いです。
尚フッ素塗料は重ね塗りができないため、フッ素塗料に再度フッ素塗料を重ねる場合は専用の下地が必要となります。

耐用年数は15～20年、価格は4,500円/㎡程度です。

フッ素塗装

ピュアアクリル塗料

アクリル塗料に含まれる不純物を取り除いた塗料です。
防水性にも優れ弾力性もあるため、ひび割れも起きにくいです。
フッ素塗料よりさらに高価で、扱うメーカーも少ないため

耐用年数は15～20年、価格は4,700円/㎡程度です。

無機塗料

有機物をほぼ含まないため劣化が遅い、という最も耐久性の高い塗料です。
その分価格も高価で、再塗装の頻度が減ることを加味してもコストパフォーマンスはやや低いと言えます。
しかし無機塗料には、耐火性が高いという利点もあります。
耐用年数は25～30年、価格は5,000円/㎡程度です。

セラミック塗料

樹脂に砂利や砂、セラミックビーズなどを混ぜ込んだ塗料です。
遮熱・断熱効果を持つため、断熱材を使用した住宅に使用することで特に高い効果が見込めます。

耐用年数は10～20年、価格は2,300～15,000円/㎡程度と、他の塗料に比べて幅がやや広いです。

 

外壁塗装の塗料を選ぶポイント

住宅の状態や地域の気候に合った塗料

外壁および住宅の状態を正しく把握することは大切です。
住宅の劣化状態や外壁の材質に合った塗料を選ぶことは、外壁の寿命を伸ばすことにつながります。
お住まいの地域の気候に合わせることも、同じく有効です。

ただしこれは素人による判断が非常に難しい部分でもあります。
信頼のおける専門業者に依頼して外壁および住宅の状態を見てもらい、適切な種類のアドバイスをもらってください。

予算に合った塗料

予算は大切な基準です。
いくら外壁の材質に最適な塗料であっても、耐久性の高い塗料であっても、予算を無視した塗料はおすすめできません。
高価であっても質の良いものを、と考える方にはフッ素塗料がおすすめです。
ある程度の質も必要ではあるものの費用も気になる、という方はぜひ「1回の工事あたりの費用を抑えたいのか」「長期目線での費用を抑えたいのか」を考えてみてください。
それぞれどの程度抑えたいのかによって、適切な塗料は異なると思います。

 

まとめ

外壁の塗膜は経年劣化により少しずつ剥げていきます。
劣化に伴い高まるリスクが、カビやコケの発生、ひび割れなどです。
また放置すれば防水機能の低下にもつながります。
そのため外壁は定期的に再塗装を行うことが望ましいです。
外壁塗料にも種類があり、各種耐久性も価格も異なります。
ご希望の耐久性や予算に合わせた塗料を選ぶことが大切です。
塗料を選ぶにあたっては、専門業者に外壁および住宅の状態を見てもらいアドバイスをもらうことをおすすめします。

 

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