ガルバリウム鋼板製の折板屋根が人気の背景:それぞれの特徴やメンテナンス
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折板屋根とは波型の金属板を用いた屋根材の一種で、特に工場や倉庫、カーポートなどの大型建築で広く採用されています。その中でもガルバリウム鋼板を使用した折板屋根は、耐久性とコストパフォーマンスに優れた素材として注目を集めています。今回の記事では、折板屋根とガルバリウム鋼板について詳しく解説するとともに、その特徴やメリット・デメリット、適切なメンテナンス方法について紹介します。
目次
折板屋根の特徴
波型構造と金属素材
折板屋根は、金属板を波型に成形することで強度を高めた屋根材です。この波型構造により、耐久性や耐風性が向上し、大型建築に適した特性を持っています。また、波型の形状が雨水を効率的に流す役割を果たし、雨仕舞の良さを実現しています。
主な素材
折板屋根の主な素材には以下があります。
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トタン:古くから使用されてきた素材ですが、錆びやすい点が課題です。
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ガルバリウム鋼板:近年主流となっている素材で、耐久性や防錆性に優れています。
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ステンレス:耐久性は高いものの、コストが高く加工が難しいため、あまり一般的ではありません。
ガルバリウム鋼板の詳細
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛の合金メッキが施された金属板であり、耐腐食性と加工性に優れています。従来のトタンよりも耐用年数が長く、特に日本のような湿潤な気候に適しています。また、軽量でありながら強度が高いため、大型建築にも最適な素材とされています。
ガルバリウム鋼板については、以下の記事でより詳しく特徴などを紹介しています。
金属屋根の一種「ガルバリウム鋼板屋根」の特徴とは:人気の秘訣を徹底解説
折板屋根のメリット
低コストで施工が行える
折板屋根は、下地を必要としないため、施工コストが抑えられる点が最大のメリットです。通常の屋根材では野地板やルーフィングなどの下地が必要ですが、折板屋根は梁に直接固定できるため、工期短縮にもつながります。
耐水性に優れている
ガルバリウム鋼板を波型に成形した構造は、水はけの良さを提供します。この特性により、雨漏りのリスクが低くなり、長期間使用可能です。
高い耐風性
折板屋根はその構造上、風に対する抵抗力が高い特徴があります。特にハゼ式の施工方法を採用することで、強風地域でも安全に利用できる耐風性を実現します。
折板屋根のデメリット
遮熱性・断熱性の課題
折板屋根は下地を設けずに梁に直接固定するため、断熱性や遮熱性に劣ります。屋根裏の空気層が無いため、外部の熱や冷気がそのまま室内に伝わりやすい構造となっています。
対策として、断熱材を追加したり遮熱塗料を使用することが有効です。また、二重構造の折板屋根を選択することで、これらの問題を軽減できます。
雨音が響きやすい
金属屋根全般に共通する課題として、雨音が響きやすい点が挙げられます。特に折板屋根はガルバリウム鋼板1枚の構造であるため、雨音が直接伝わりやすくなります。防音材を使用するか、内装に吸音性の高い素材を採用することで対策が可能です。
折板屋根のメンテナンス方法
定期的な塗装
ガルバリウム鋼板の表面には塗装が施されていますが、経年劣化により塗膜が剥がれると錆びのリスクが高まります。一般的な塗料には以下のものがあります。
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ウレタン系塗料:8~10年に一度の塗り替えが必要
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シリコン系塗料:10~12年に一度の塗り替えが必要 遮熱塗料を使用することで、断熱性をある程度補強することも可能です。
部品交換
取り付け金具やボルトナットの劣化は、早めの交換が重要です。特に鉄製の金具は錆びやすいため、錆びる前にステンレス製の金具に交換することが推奨されます。
また、金具の交換時期を見極めるためには、専門家による定期的な点検が欠かせません。点検により小さな不具合を早期に発見し、大規模な修理を未然に防ぐことができます。
屋根材の葺き替え
定期的な塗装や部品交換を行っていても、屋根材自体が劣化する場合があります。特に30年以上経過した屋根は、穴あきや反りが発生しやすく、葺き替えの検討が必要です。葺き替えには費用がかかりますが、新素材の屋根材を採用することで、性能を向上させることが可能です。
折板屋根の錆びに関する傾向と対策
錆びやすい部位
折板屋根の錆びは、以下の部位で特に発生しやすいことが分かっています。
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山部:大気中の腐食成分が付着しやすい
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軒先部:雨水が滞留することによる錆び
錆びる原因
錆びの原因として、大気中の腐食成分が波型の山部に溜まりやすい点や、軒先で雨水が滞留することが挙げられます。特に谷部は雨水が流れやすいため、比較的錆びにくい傾向があります。
防錆対策
防錆対策として、塗装の定期的な見直しや、雨水の滞留を防ぐ構造設計が重要です。また、屋根全体に防錆塗料を施すことで耐久性を向上させることが可能です。
折板屋根の選び方と施工ポイント
重ね式とハゼ式の違い
折板屋根には以下の2種類の施工方法があります。
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重ね式:取り付け金具をボルトナットで固定する方法。カーポートや小型建築に適しています。
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ハゼ式:吊り金具を使用する方法で、防水性や耐風性に優れています。大型建築に適しています。
用途に応じた選択
建物の規模や用途に応じて適切な施工方法や材料を選ぶことが重要です。また、ガルバリウム鋼板の色や表面加工も耐久性や美観に影響を与えます。
さらに、施工業者を選ぶ際には、過去の施工実績やアフターフォロー体制を確認することが大切です。信頼できる業者を選ぶことで、施工後のトラブルを防ぐことができます。
まとめ
折板屋根は、コストパフォーマンスや耐久性に優れた屋根材として、多くの場面で採用されています。特にガルバリウム鋼板を用いた折板屋根は、防錆性や耐久性の面で高い評価を受けています。一方で、遮熱性や遮音性の課題があるため、適切なメンテナンスが不可欠です。
10年ごとの塗装や部品交換、30年程度を目安とした葺き替えを行うことで、長期間安心して使用できる折板屋根を実現できます。また、施工業者の選定や素材選びにこだわることで、より高品質な屋根環境を構築できます。本記事を参考に、折板屋根の導入やメンテナンス計画を検討してみてください。
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