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瓦屋根の「ラバーロック」がおすすめできない理由:悪徳業者被害の注意喚起

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ラバーロックとは瓦屋根の補修工事の一種です。
記事を読んでいる方の中には、現在ラバーロックを検討されている方がいるかもしれません。
結論としては、瓦屋根のラバーロックはあまりおすすめできません。
今回の記事では、ラバーロックの特徴やおすすめできない理由について解説します。

 

瓦屋根のラバーロックとは

ラバーロックとは、瓦屋根の平部や棟などで瓦同士の隙間をシーリング材で埋めることです。
新築時に行われることはないため、ご自宅屋根にラバーロックが行われていたとしたらそれは補修時に行われたものです。
最近では行われることが少ないものの、補修が数十年前であればラバーロックを行っている可能性は十分にあります。
ラバーロックが行われている瓦屋根は、瓦同士の隙間にシーリング材が詰まっている、もしくは瓦表面にシーリング材が付着しているため外観から見分けがつくと思います。
屋根の面積にもよるもののラバーロックは30万円程度で行える可能性があるため、葺き替えといった大がかりな工事に比べると安価です。

 

ラバーロックのデメリット

雨漏りのリスクが増す

雨漏り

ラバーロックには大きな危険性があります。

最も大きな危険性は、雨漏りのリスクが増すことです。

シーリング材で瓦同士の隙間を塞いでいても、雨水はほんの少しの隙間から内部に侵入します。
通常、屋根に降った雨水は屋根材の下に確保された隙間(排水経路)を通って地上に排水されるため、屋根材の内部に雨水が留まらないようにできています。
しかしラバーロックを行った瓦屋根においては、内部に侵入した雨水がスムーズに排水されません。
少しずつ内部に蓄積した雨水は、やがて屋根の下地に浸透し雨漏りを引き起こす可能性が高いです。

屋根の換気の妨げとなる

瓦屋根は本来、換気効率の良い屋根です。
しかしラバーロックを行うことで、換気がしづらくなり湿気が屋根内部に留まりやすくなってしまいます。
湿気は屋根だけでなく住宅の大敵です。
換気を妨げ湿気を内部に留めておくことは、屋根の下地の劣化促進に繋がります。

屋根の補修時・撤去時邪魔になる

ラバーロック後に別の補修を行う際や、葺き替えや解体で瓦を撤去する際には瓦に付着したシーリング材を剥がさなければいけません。
手間がかかるため通常より工期や費用が増す可能性があります。
また剥がすといえど完全に除去できるわけではないため、瓦自体に劣化が見られなかったとしても葺き替え時に再利用することができなくなります。

美観を損ねる

シーリング材は施工時は白いものの、粘着性があるため経年とともに汚れがつきやすいです。
瓦屋根の色が明るいほど、汚れたシーリング材が目立ち美観を損ねてしまいます。

 

ラバーロックが行われる理由

雨漏りのリスクが増すラバーロックが瓦屋根の補修時に行われる理由が気になった方が多いのではないでしょうか。
ラバーロックは、悪徳業者による工事であることが多いです。
近年、屋根の悪徳業者被害は増加しています。
被害内容は様々ですが、そのひとつが粗悪工事です。
屋根の悪徳業者被害については、以下の記事で詳しく紹介しているためぜひ併せてご覧ください。

広島県福山市で悪徳屋根業者に注意!よく使われる手口と悪徳被害増加の背景を紹介

 

悪徳業者による手口

悪徳業者

雨漏りの防止

瓦同士の隙間を塞ぐことで雨漏り防止となる、といった文言でラバーロックをすすめる手口です。
屋根に関する専門知識がなければ、隙間がある=そこから雨水が侵入する=雨漏りに繋がる、と思う方は多いでしょう。
隙間を塞ぐことで雨漏り防止になると言われて納得してしまう方が多いのも無理ありません。
しかし上述の通り、実態は逆です。
隙間を塞ぐことで雨漏りは防止どころかリスクが増してしまいます。

雨漏りの解決

現在起きている雨漏りの補修工事として、といった文言でラバーロックをすすめる手口です。
雨漏りが起きているということは屋根の下地(ルーフィング)に問題があるため、表面をシーリング材で塞いだところで根本的な解決には至りません。
一時的な改善にはなるかもしれないものの、その場しのぎです。
雨漏りが起きた場合は下地の補修を行う必要があります。

耐震性・耐風性の向上

シーリング材で固定することで地震や台風が起きた際に瓦のズレや落下を防止する、といった文言でラバーロックをすすめる手口です。
しかしいずれも大きな効果は期待できないことが実証されています。
シーリング材には接着力があるものの、耐震性や耐風性を大幅に向上させるほどの力はありません。
瓦の固定を強固なものにしたい場合は、釘留めを行うことや防災瓦を使用することをおすすめします。
防災瓦については、以下の記事で紹介しています。

瓦屋根の耐震について:屋根材の重さと耐震性の関連性、防災瓦の特徴を解説

また地震に関しては、効果が期待できないどころか被害を大きくするリスクもあります。
大型地震が起きた場合、シーリング材で接合された複数の瓦が塊で落下してくる可能性があるためです。

ラバーロックを提案されたら

専門業者から、瓦屋根の補修としてラバーロックを提案された際は即決せず複数の専門業者に相談してください。
ラバーロックを提案する業者は悪徳業者である、もしくは瓦屋根の補修に不慣れである可能性が高いためです。
複数の専門業者の意見を聞いたうえで決断した方が良いでしょう。
場合によって対処は異なるものの、瓦屋根にトラブルが起きた際は葺き替えや瓦の部分差し替えなどを行うことが一般的です。
しかし葺き替えや部分補修を適切に行うには、それなりの費用がかかります。
葺き替えであれば100万円を超える可能性も十分にあります。
瓦屋根にトラブルが起きても予算の都合上すぐに葺き替え等を行えず、応急処置としてラバーロックを選択することもあるかもしれません。
応急処置としてラバーロックを行う場合は、釘の増し打ちと併用することをおすすめします。

 

まとめ

瓦同士の隙間でシーリング材で埋めて固定することをラバーロックと言います。
しかしラバーロックで大幅に瓦の固定力を向上させることはできません。
また、ラバーロックには雨漏りのリスクが増すという大きな注意点があります。
ラバーロックを提案する業者は悪徳業者である可能性が高いため、提案された際はお気をつけください。
すぐには決断せず、複数の専門業者に相談することをおすすめします。

 

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藤井製瓦工業 職人、スタッフ
藤井製瓦工業は広島県福山市に拠点を置く、創業120年超の老舗屋根屋です。
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