屋根の種類のひとつに「折板屋根」というものがあります。
折板屋根は主に工場や倉庫で使用される屋根です。
では一般人には縁のない屋根かというとそうではなく、カーポートに使用されることもあります。
今回の記事では折板屋根の耐久性や、メリット・デメリットについて紹介します。

折板屋根とは

波型に折り曲げた金属屋根

折板屋根とは、0.6〜1.2mm程の厚みの金属板を折り曲げて波型に加工した屋根です。
基本的にはガルバリウム鋼板やトタンが採用されます。
金属板を波型に折り曲げているため、通常の金属屋根に比べて重いという特徴があります。
そのため、重量に耐えられる鉄骨造の建物で使用されることが多いです。

工場や倉庫で使用される

折板屋根は、主に工場や倉庫で使用されます。
あとは一般住宅のカーポートや、体育館、プレハブなどです。
以前は波型スレートといって、波型に折り曲げたスレートが工場などの屋根材として一般的でした。
しかしアスベスト問題や雨漏りリスクの高さなどを理由に、近年では折板屋根の採用が増えています。
スレートのアスベスト問題については、以下の記事で紹介しています。
コロニアル屋根とは？コロニアル屋根におけるアスベストの取扱注意について

 

折板屋根のメリット

強度が高い

金属板を折り曲げていることから、非常に強度が高いです。
また折板屋根は、屋根の縦方向に継ぎ目がありません。
折板屋根は1枚の大きな金属板を加工して施工することが多いためです。（ただし横方向には継ぎ目ができることがあります。）
そのため継ぎ目箇所から劣化していく、ということが原則起こりません。
ガルバリウム鋼板の折板は特に丈夫です。

雨漏りリスクが低い

上述の通り、屋根材の継ぎ目が少ないため雨漏りリスクが低いです。
また波型になっていることから雨水の排水経路が確保され、水捌けが良いことも雨漏りリスクを抑える要因となっています。
水捌けが良いということは、錆びのリスクを抑えることにもつながります。

工事が比較的手軽

折板屋根を施工する工事は、他の屋根に比べて比較的手軽に行えます。
最大の理由は、屋根の下地をつくる必要がないためです。
下地とは、野地板やルーフィングといった部分です。
折板屋根は屋根の梁に直接、取り付け器具を用いて設置します。
屋根の下地は施工に手間がかかるため、つくらないことで工期も費用も抑えることができます。

 

折板屋根のデメリット

折板屋根のデメリットは、つまり使用する屋根材のデメリットです。
ガルバリウム鋼板のメリット・デメリットについては、以下の記事で紹介しています。

金属屋根の一種「ガルバリウム鋼板屋根」の特徴とは：人気の秘訣を徹底解説

断熱性が低い

金属屋根材は熱伝導効率が高いです。
したがって夏場は外の熱を内部に伝えやすく、冷暖房の効率が下がってしまいます。
特に折板屋根は下地を設けていないため、屋根裏がなく天井に空気層ができません。
ダイレクトに外気の影響を受けてしまいます。

防音性が低い

薄い屋根材であることや金属であることから、防音性が低いです。
大雨の日には雨音が反響する可能性があります。
特に折板屋根は下地を設けていないため、音が屋内に伝わりやすいです。

　
こういった性質もあり、折板屋根は常時人がいる一般住宅の屋根には向きません。

 

折板屋根への太陽光パネル設置

太陽光パネルは、屋根にある程度の強度がないと設置することができません。
一般的に住宅に使用される屋根材であれば過度に劣化していない限り問題はないものの、カーポートに使用される屋根材の中には太陽光パネルの設置に向かないものもあります。
カーポート屋根にはポリカーボネート板を使用することも多いですが、重い太陽光パネルを乗せることができません。
太陽光パネルを設置したい場合は折板屋根をおすすめします。
もしくは屋根一体型といって、太陽光パネルと屋根材が一体になった製品を使用することです。

カーポート屋根への太陽光パネル設置については、以下の記事で詳しく紹介しています。

カーポート屋根のリフォーム：波板張り替えや太陽光パネルの設置について

 

まとめ

折板屋根は、大きな金属板を波型に加工した屋根です。
多くの場合、ガルバリウム鋼板やトタンを使用します。
強度が高く水捌けが良いことに加え、工事費用も抑えられることから工場や倉庫の屋根に採用されることが多いです。
ただし金属屋根材であるため断熱性や防音性には課題があります。
特に折板屋根は屋根の下地を設けないため、これらの特徴が顕著です。
そのため一般住宅の屋根に採用されることは基本的にないですが、一般住宅のカーポートの屋根に採用されることはあります。
折板屋根にすることで、カーポートにも太陽光パネルを設置することができるようになります。

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