「差し棟の一部が落ちてきた」という問い合わせをいただくことがあります。
差し棟の一部が落下してきた際は、なるべく早く専門業者にご相談いただいた方が良いです。
今回の記事では、差し棟とはなにかを解説するとともに、差し棟に関するトラブルを紹介します。

 

差し棟とは

特定の広報で施工された隅棟のこと

差し棟とは、特定の工法で施工された隅棟（すみむね）のことです。
隅棟とは棟の一種で、屋根の頂上にある大棟から地上に向かっておりる棟を指します。
降棟（くだりむね）と呼ばれることもありますが、基本的に同じ箇所を指していると思って良いです。
いわゆる三角屋根である切妻屋根のように、隅棟のない屋根もあります。
複雑な形状の屋根の方が棟の数は多いです。
屋根の棟については、以下の記事で役割やトラブルなど詳しく解説しています。

屋根棟（むね）のトラブルが起きたら！広島県福山市の藤井製瓦工業までご相談を

通常の隅棟との違い

上述の"特定の工法"について解説します。

隅棟の中でも、板金が個別に差し込むようにして施工されたものを差し棟と呼びます。
板金とは薄い金属板のことで、金属屋根やスレート屋根の棟には板金が被せられています。
通常の隅棟は全体に1枚の板金を被せる「通し棟」（下記写真参照）と呼ばれる工法で施工され、差し棟は屋根材1枚1枚個別に板金を被せる工法が採用されています。

差し棟がある屋根はスレート屋根が多い

差し棟が施工される屋根の代表例が、スレート屋根です。
スレート屋根の特徴については以下の記事にてご覧ください。

【スレート屋根の掃除・塗装】その役割や自分で行う際の注意事項について

尚、スレート屋根はコロニアル屋根と呼ばれることも多いです。
これはスレートの代表的な商品、コロニアルからきています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
【コロニアル・スレート・カラーベストの違い】含有アスベストの注意喚起！

 

差し棟の特徴

耐風性が高い

板金を1枚1枚個別に固定するため、耐風性が上がります。
台風発生時などの強風で板金が飛散するリスクが下がります。

メンテナンスの手間が軽度

差し棟は通し棟とは異なり、棟板金に下地として「貫板」が不要です。
貫板は木材でできているため一定期間で腐食などの劣化が起こります。
差し棟においては貫板を使用しないことで、メンテナンスの手間が減ります。

スマートな外観印象となる

屋根は住宅印象を大きく左右する部分です。
差し棟は、よりスマートな外観印象をもたらします。

工事費用が高い

施工に手間がかかっているため、通し棟より工事費用が高い傾向にあります。

 

差し棟の一部が落下するトラブル

差し棟は屋根材1枚1枚に板金を差し込み、それぞれビス止めされています。
そのため正しく施工されている限りは、通常の隅棟以上に耐風性が高いです。
しかし固定するビスの一部が浮いてしまったり錆びてしまったりすることで、差し棟の一部が落下してしまうトラブルがあります。
また施工に不備があると特に落下リスクは上がります。
ただし一部が落下した場合は、一部補修といった比較的手軽な工事で済む可能性が高いです。
落下に気づいた際は、早めに補修依頼をしてください。

差し棟の施工を依頼するにあたって

差し棟の施工に慣れた専門業者に依頼した方が良いです。

HPやSNSなどで施工事例を確認、もしくは直接問い合わせてみてください。
差し棟は施工技術によって耐用性も大きく変動するため、実績や知識の豊富な専門業者に依頼することをおすすめします。

 

まとめ

差し棟は、特定の工法で施工された隅棟です。
1枚の板金で覆われる通常の隅棟（通し棟）とは異なり、屋根材1枚1枚に差し込む形で板金が施工されています。
通し棟に比べて耐風性が高く、強風発生時に板金や屋根材の飛散リスクが低いです。
万が一差し棟の一部が落下してきた場合は、一部補修が可能なためぜひお早めに専門業者までご連絡ください。

 

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