瓦屋根は日本の伝統的な屋根材で、美しい外観と耐久性で知られています。しかし近年では、より扱いやすい屋根材への葺き替えも増えています。そこで注目されているのが、ガルバリウム鋼板屋根への葺き替えです。
本記事では、瓦屋根の特徴と問題点、ガルバリウム鋼板屋根のメリット、葺き替え工事の手順、注意点などを詳しく解説します。

瓦屋根の特徴と注意点

瓦屋根の構造と耐久性

瓦は日本の伝統的な屋根材で、重厚感と美しいデザインが特徴です。瓦は一般的に粘土で作られており、耐火性や断熱性に優れています。瓦自体がほとんど経年劣化しないため、瓦屋根は寿命が非常に長いです。また瓦は、種類によっては経年変化すらも趣として楽しめるような屋根材です。瓦の中でも「いぶし瓦」は経年とともに変色し色むらが発生しますが、それも味として楽しまれています。
瓦の種類については、以下の記事で詳しく紹介しています。
瓦屋が徹底解説！陶器瓦・いぶし瓦・素焼瓦・セメント瓦それぞれの特徴とは

瓦屋根のメリットとデメリット

瓦屋根の最大のメリットはその耐久性です。長期間にわたって使用でき、見た目の美しさも保つことができます。しかし、デメリットも存在します。瓦は重いため、地震の際には建物全体が大きく揺れる原因となることがあります。また、台風などの強風で瓦が飛散するリスクもあり、修理が必要になる場合が多々あります。

台風や地震による瓦屋根のリスク

台風や地震による瓦屋根のリスクは深刻です。気象庁のデータによれば、風速20ｍ～30ｍの風で瓦が飛散する可能性があるとされています。瓦がずれたり落ちたりすると雨漏りの原因となり、さらに修理には時間と費用がかかります。特に台風の被害が広範囲に及ぶ際は、修理業者の対応が遅れることもあるため注意が必要です。
以下の記事では、瓦屋根における地震対策について紹介しています。
瓦屋根の住宅でこそ地震対策を！地震被害のリスクを抑えるためにできること

ガルバリウム鋼板屋根のメリット

ガルバリウム鋼板屋根の軽量性

ガルバリウム鋼板は、鋼板に亜鉛・シリコン・アルミニウムのメッキをコーティングしたもので、軽量かつ耐久性に優れています。1㎡あたりの重さは約5.7kgで、瓦屋根の約8分の1の重さです。この軽さにより屋根にかかる負荷が大幅に減少し、建物の耐震性が向上します。
ガルバリウム鋼板の特徴については、以下の記事で詳しく紹介しています。
金属屋根の一種「ガルバリウム鋼板屋根」の特徴とは：人気の秘訣を徹底解説

耐久性と防錆性能

ガルバリウム鋼板は耐久性が高く、錆びにくいという特徴があります。鋼板の表面に施されたコーティングが、鋼板を腐食から守ります。これにより、長期間にわたり屋根材としての性能を維持できるため、メンテナンスの手間が比較的少なく済みます。

耐震性の向上とその他の利点

屋根が軽くなることで、地震の際に建物全体の揺れが小さく抑えられます。これにより、地震による屋根の破損リスクが減少します。またガルバリウム鋼板は耐火性も高いです。

瓦屋根からガルバリウム鋼板屋根への葺き替え工事の手順

足場の組立てと準備

葺き替え工事の最初のステップは足場の組立てです。安全に作業を進めるために、屋根全体に足場を組む必要があります。また、荷揚げ機やリフト付きのハシゴを設置して、瓦の搬出をスムーズに行います。

瓦の撤去作業

瓦を撤去する際には、棟瓦や漆喰を取り外し屋根全体の瓦を丁寧に取り外します。非常に慎重に作業を進める必要があります。撤去した瓦は工事を行った専門業者がそのまま処分してくれるため「どうやって処分すればいいのだろう？」等の心配はいりません。

屋根の清掃と下地処理

瓦の撤去が完了した後は、屋根の下地を補強します。具体的には、野地板を張り込みルーフィング（防水シート）を敷きます。ルーフィングは、雨水の侵入を防ぐうえで最も重要な役割を果たします。防水の要です。

新しい屋根材の設置

ルーフィングの上に、新しいガルバリウム鋼板を取り付けていきます。最後に棟板金などの仕上げ作業を行い、屋根の完成を目指します。

完了検査と最終仕上げ

工事が完了した後は、最終検査を行い屋根の状態を確認します。問題がないことを確認したら、工事が完了です。屋根の新しい状態を保つためには、定期的な点検やメンテナンスを行うことが推奨されます。

リフォームの際の注意点と対策

葺き替え工事の選び方と業者選び

葺き替え工事を行う際には、信頼できる業者を選ぶことが重要です。業者の実績やレビューを確認し、見積もりを比較して納得のいく業者を選びましょう。また、施工内容や保証についても十分に確認しておくことが大切です。

予算と費用の目安

葺き替え工事の費用は、屋根の面積や形状、使用する材料によって異なります。一般的には、ガルバリウム鋼板屋根への葺き替え工事は、瓦屋根から瓦屋根への葺き替えに比べてコストが抑えられることが多いです。予算を立て、必要な費用を確認してから工事に取り掛かるようにしましょう。

まとめ

瓦屋根からガルバリウム鋼板屋根への葺き替えは、耐震性や耐久性、メンテナンスの面で多くの利点があります。台風や地震によるリスクを少しでも減らしたい方にはおすすめです。もちろん屋根材は一概にどれが最も優れているか決められるものではありません。必ずしも瓦よりガルバリウム鋼板が優れているというわけではなく、一長一短です。ご自身の中で優先したい条件に合わせて屋根材を選んでください。
また葺き替え工事を検討する際は、業者選びや工事の手順に注意し適切なプランニングを行うことが重要です。

 

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