寒冷地以外でも起こることがある!瓦屋根の凍害について:原因や対策を紹介
- 屋根の修理
- 屋根にまつわる情報発信
瓦屋根は耐久性に優れ、長持ちする建材として知られていますが、寒冷地や季節の変わり目には「凍害」という問題が発生することがあります。今回の記事では、瓦屋根の凍害とは何か、なぜ起こるのか、そして凍害に対する予防策と対処法について詳しく解説していきます。瓦屋根を安心して長く使用するためにも、ぜひご一読ください。
目次
凍害の仕組みとは?
瓦に染み込む水分と寒さの関係
凍害とは、瓦に染み込んだ水分が凍結と融解を繰り返すことによって、瓦にひび割れや破損が生じる現象です。瓦は土を焼き固めて作られているため内部に小さな気泡があり、微細な隙間に水分が入りやこみすいという性質を持っています。雨水が瓦に染み込み、寒冷な気温の影響でその水分が凍ると、膨張することで瓦の内部から圧力がかかり、ひびや割れが発生します。
瓦の仕組みや特徴については、以下の記事でより詳しく紹介しています。
瓦屋が徹底解説!陶器瓦・いぶし瓦・素焼瓦・セメント瓦それぞれの特徴とは
凍害による瓦の変化とトラブル
凍害が発生した瓦では、特に表面の剥離や欠けが目立つようになります。凍害が進行すると、瓦のかけらが屋根から落ちたり、破片が雨樋に詰まることもあります。こうした兆候が見られた場合、凍害の影響を受けている可能性が高いため早急な対策が必要です。
凍害が発生しやすい環境条件
気候と地域性による違い
凍害は寒冷地で特に発生しやすいものです。気温が氷点下に近い日が続くような場所では、瓦に水分が染み込んだ際の凍結リスクが特に高まります。北海道や東北地方などの寒冷地では、瓦に凍害が起こりやすいため瓦屋根の住宅は他地域に比べて少ないです。
寒冷地以外でも凍害が起こるケース
寒冷地で特に発生しやすいことは事実ですが、必ずしも寒冷地に限った問題ではありません。温暖な地域でも、急な冷え込みがあると凍害が発生することがあります。たとえば山間部や内陸部など、冬になると急激に冷え込む地域で凍害が多く発生します。
吸水率が高い瓦ほど凍害のリスクが高いです。瓦に水分が残りやすい湿度の高い地域や寒暖差が激しい地域では、予期せぬ凍害が発生することもあるため注意が必要です。
瓦の凍害を防ぐ方法
凍害に強い瓦の選択
瓦の凍害を予防するためには、吸水率が低い瓦を選ぶことが効果的です。たとえば「石州瓦」は凍害に強い瓦として知られています。
石州瓦とは日本三大瓦のひとつで、島根県の石見地方で生産される瓦のことです。石州瓦を含む三大瓦それぞれの特徴については、以下の記事で紹介しています。
国内流通の大半を占める「三大瓦」とは:産地ごとに異なる「三大瓦」の特徴
瓦以外の屋根材の選択肢
凍害に特に弱い陶器瓦を避ける場合、金属屋根材などの凍害に強い屋根材も検討の価値があります。これらの屋根材は、吸水率が低く凍害のリスクが少ないため、寒冷地や急な冷え込みがある地域での使用に適しています。特に金属屋根材の「ガルバリウム鋼板」は凍害に強いことに加え、錆びにも強く耐用年数も長いため非常に人気の高い屋根材です。
ガルバリウム鋼板の特徴については、以下の記事で詳しく紹介しています。
金属屋根の一種「ガルバリウム鋼板屋根」の特徴とは:人気の秘訣を徹底解説
日常的な点検とメンテナンスの重要性
瓦屋根の凍害は、定期的な点検やメンテナンスによってある程度予防できます。瓦が割れたりひびが入っていたりする箇所があれば、早めに修理することで凍害を未然に防ぐことができます。また瓦の下の防水シートの状態も重要で、瓦の損傷によって水が浸入することで防水シートが劣化するリスクもあるため、定期的に劣化状況を確認することが大切です。
凍害が起きた場合の対処法
瓦の破片が落ちる、ひび割れが見られる場合の対策
瓦屋根の表面が剥がれたり、破片が落ちてきた場合は凍害が起きている可能性があります。冬季にひび割れや破片が見つかった場合には、自分で修理しようとせず、専門業者に相談することが推奨されます。
自分で修理を行わない方がよい理由
屋根の上での作業は滑りやすく、高所作業になるため危険が伴います。また、瓦の破損箇所を誤ってさらに損傷させてしまうリスクもあります。信頼できる業者に依頼し適切な修理を行ってもらう方が、結果として安全かつ長持ちする修理が叶うためです。
専門業者の選び方と相談のポイント
凍害の修理を依頼する際には、地域密着の屋根工事業者が理想的です。地元の気候や寒暖差に詳しい業者であれば、適切な修理法や瓦の選択を提案してもらえるでしょう。長期間にわたってサポートが受けられるアフターケアの有無や、実績などを確認することもポイントです。
凍害による瓦の修理・交換方法
部分交換と葺き替えの違い
凍害によって割れた瓦は、部分交換か、場合によっては屋根全体の葺き替えが必要となります。部分交換は、割れた瓦だけを取り替える方法で、費用を抑えられるのがメリットです。一方、広範囲にわたる凍害が確認された場合には、葺き替えを行うことで耐久性を保ちます。大がかりな工事となるため費用は増すものの、屋根の寿命を大幅に延ばすことができます。
修理後のアフターケアと点検
凍害による被害の修理が完了した後も、定期的な点検とアフターケアを行うことで瓦屋根の耐久性を長く保つことができます。年に1~2回程度、屋根や防水シートの状態を確認し、異常がないかチェックすることが大切です。
まとめ
瓦屋根の凍害は、寒冷地だけでなく急激に冷え込む地域でも発生する可能性があるため、幅広いエリアにおいて注意が必要です。凍害の予防策として、吸水率の低い瓦や凍害に強い屋根材を選ぶことが効果的であり、定期的な点検やメンテナンスも欠かせません。もし凍害が発生した場合には、信頼できる専門業者に相談し適切な修理を行うことが、屋根を長持ちさせる秘訣です。地域に適した対策を講じて、瓦屋根の美観と耐久性を守りましょう。
広島県福山市近隣の屋根工事は藤井製瓦工業まで!
藤井製瓦工業は広島県福山市に拠点を置く、創業120年超の老舗屋根屋です。
屋根に関する工事全般に対応しています。
対応エリアは以下の通りです。
広島県福山市、尾道市、三原市、府中市、神石高原町
岡山県笠岡市、井原市
基本的には福山市から車で60分圏内であれば対応可能です。
上記以外のエリアにお住まいの方も、お気軽に一度ご相談ください。
【広島県福山市の屋根・外壁工事】藤井製瓦工業へなんでもご相談ください!
お問い合わせ
工事内容について、費用について、どのようなことでもお気軽にご相談ください。
以下のページからオンラインでお問い合わせいただくことが可能です。ぜひご活用ください。
お問い合わせ