メンテナンスとしての塗装が必要な屋根材と不必要な屋根材:その種類と特徴
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屋根材の中には、メンテナンスとして塗装を行う必要のあるものがあります。
屋根材のメンテナンスには様々な方法があるため、必ずしも塗装が必要=悪ではありません。
しかし定期的に塗装を行う必要があることは、その屋根材を使用するうえで覚えておいた方が良い事項のひとつです。
今回の記事では、塗装が必要な屋根材とそうでない屋根材について紹介します。
目次
塗装が必要な屋根材
ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とは、鋼板に亜鉛とアルミニウムとシリコンのメッキをかけた金属屋根材です。
鋼板に亜鉛のみのメッキをかけたものがトタンで、ガルバリウム鋼板はアルミニウムとシリコンを加えたことで耐食性が格段に向上しました。
耐食性が高いということは錆びにくいということです。
金属の頑丈さを持ちながら錆びにくい屋根材ということで、トタンに代わって大幅に普及しました。
また軽量でもあるため耐震性も高いです。
現在日本の一般住宅において最も普及率の高い屋根材です。
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スレート
スレートとは、セメントを主成分として繊維を織り交ぜた板状の屋根材です。
元々はスレートというと粘板岩という天然石を加工した板を指しましたが、非常に稀少性が高く高価なため現在一般住宅には使用されません。
天然石からなるものを「天然スレート」と言い、セメントを主成分としてつくった人工のスレートを「化粧スレート」と言います。
屋根材としてスレートと言うときは、後者の化粧スレートを指すことが多いです。
業者によってはスレートを指して「カラーベスト」や「コロニアル」と呼ぶこともあります。
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セメント瓦
セメント瓦とは、セメントを主成分として瓦の形状に成型した屋根材です。
一般的にセメント瓦と言うと「プレスセメント瓦」を指すことが多く、セメントに砂を混ぜたものに高圧プレスをかけてつくります。
陶器瓦とは異なり焼き上げる工程がないため、焼き上げることによる縮みなどもなく個体差が少ないです。
無駄なく効率的に製造することが叶うため陶器瓦に比べてやや手頃です。
手軽に瓦のデザインを楽しめる屋根材として一時期は普及しましたが、現在は陶器瓦の価格が以前よりも安価になったこともあり需要は減っています。
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塗装が不要な屋根材
陶器瓦
陶器瓦とは、粘土を瓦の形状に成型し釉薬を塗ってから焼き上げた屋根材です。
粘土を焼き上げる瓦全般を「粘土瓦」と言い、陶器瓦はその粘土瓦の代表例と言えます。
最も一般的な瓦で、伝統的な日本建築に使用される屋根材は陶器瓦が多いです。
陶器瓦は釉薬を塗ってあるため艶のある仕上がりとなり、水分も吸いづらく耐水性も高いです。
表面の艶や色は年月が経過してもほとんど褪せることがなく、耐用年数も長いためメンテナンスの頻度が少なく済みます。
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アスファルトシングル
アスファルトシングルとは、ガラス基材にアスファルトを浸透させて砂や石粒を吹き付けたシート状の屋根材です。
北米発祥の屋根材で、カッターでも切れるほど柔らかく加工のしやすい屋根材です。
施工難易度が低いかつ価格も安価なことから、定期的にリフォームを行いたい方にも向いています。
形状の自由度が高いため、複雑な屋根形状にも適用させやすいです。
またカラーバリエーションも豊富です。
薄いシートであるため強風の煽りを受けて剥がれなどのトラブルはやや起きやすいものの、表面にコーティングが施されているため色褪せはほとんど起こりません。
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石粒付き鋼板(ジンカリウム鋼板)
石粒付き鋼板とは、表面に石粒のコーティングを施したガルバリウム鋼板です。
元々耐久性の高いガルバリウム鋼板に加工を施したことでさらに耐久性が向上しています。
石粒付き鋼板は「ジンカリウム鋼板」と呼ばれることもあります。
ジンカリウム鋼板とガルバリウム鋼板は商標登録している会社が異なるため名称が異なりますが、性能や性質はほぼ同じです。
ただしジンカリウム鋼板は石粒付き加工を施しているものが多いため、石粒付き鋼板とジンカリウム鋼板は同義で使われることも多いです。
アスファルトシングルと同様、表面にコーティングが施されているため色褪せはほとんど起こりません。
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塗装が必要な理由
色褪せにより美観を損ねる
単純に、色褪せたまま放置していると美観を損ねます。
綺麗な外観を維持するためにも、定期的に塗装を行った方が良いです。
劣化を加速させる
表面の塗膜が劣化すると、劣化が速まります。
また屋根材によっては塗膜が剥げることでコケやカビが発生しやすくなります。
コケやカビもまた、屋根材の劣化を加速させる要因です。
防水機能の復活ではない
ここまで塗装の必要性について紹介してきましたが、塗装を行うことが即ち防水機能の復活ではありません。
もちろん多少の効果は見込めますが、雨漏り対策になるほどではありません。
防水機能が低下してきた際は、塗装ではなく別の補修を行う必要があります。
まとめ
一般的に住宅に使用される屋根材には非常に多くの種類があります。
素材や加工方法によって多種多様な特徴を持ちます。
特徴といってももちろん一長一短です。一概に最もおすすめな屋根材は決められません。
ご自身にとって大切な条件を整理して、優先順位をつけて使用する屋根材を選ぶと良いでしょう。
メンテナンスの手間も、屋根材を検討するうえで重要な項目のひとつです。
屋根材のメンテナンスのひとつ「塗装」が必要な屋根材を使用する場合は、その手間や費用を投じることが可能であるか事前に検討することをおすすめします。
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